無口な君は、誰よりも綺麗だった。

歓迎するように笑ってくれる。

そんな経験なんて、今まで一度もなかった。

だから、どう返事をしたらいいのか分からない。


「……よろしく、お願いします。」


小さな声でそう答えると、高杉くんは嬉しそうに笑った。

「うん!」


「今日は一緒に音合わせしてみよう!」

その笑顔を見ていると、不思議と胸の奥が少しだけ温かくなった。


私は静かにギターケースを肩から下ろした。


床へ置くと、ゆっくりとパーカーのフードを外す。


続いて眼鏡を外し、マスクもそっと外した。


軽く髪を整えてから、ケースの中に眠る白色のエレキギターを抱える。


自然と気持ちが切り替わる。


音楽と向き合う時だけの、いつもの私。


準備を終え、小さく口を開いた。