無口な君は、誰よりも綺麗だった。

翌日の放課後。

気づけば私は、いつものように屋上へ向かっていた。

もう癖になってしまったのかもしれない。

ギターケースを背負い、階段を上っていると――。


「園崎さん!」


後ろから聞き慣れた声が響く。


「……っ。」


振り返ると、高杉くんが笑顔で手を振っていた。


「今日はそっちじゃないでしょ? 音楽室行こ!」


その言葉に、私は小さく俯く。

「……先に行ってください。」


「え?」


「……後で行くので。」

すると高杉くんは、不思議そうに首を傾げた。

「なんで?」


「一緒に行こうよ!」


(無理……。)

高杉くんは学校でも有名な人。


誰とでも分け隔てなく接して、いつも周りには人がいる。

女の子からもすごくモテると噂の人気者。

だからこそ、初めて屋上で話しかけられた時は本当に驚いた。

そんな人の隣を、地味な私が歩けるわけがない。