無口な君は、誰よりも綺麗だった。

♪──。


ワンコーラス。


曲に合わせて指が自然と動いていく。


気づけば、音に身を任せていた。


最後の一音を鳴らし終えると、小さく息を吐く。


「……。」


静かな部屋に余韻だけが残る。


その余韻が、どこか心地よかった。


自然と口元が緩む。


(……楽しい。)


その一言が、心の中からこぼれ落ちる。


ずっと止まっていた時間が、ほんの少しだけ動き出した気がした。