無口な君は、誰よりも綺麗だった。


困り果てていると――。


「はい、そこまでーー!!」


ぐいっ。

突然、腕を引かれた。


「わあっ!」


気づけば私は飛鳥の腕の中から離れ、そのまま奏くんの腕の中へ。


「そ、奏くん……!」


奏くんは私を後ろへ隠すように立つ。

飛鳥はそんな様子を見て、くすっと笑った。


「よぉ、高杉くん。ちゃんと話はできたみたいだな。」


奏くんも真っ直ぐ飛鳥を見つめ返す。


「うん、飛鳥くんには本当に感謝してる...ありがとう。」

一度だけ頭を下げる。


でも次の瞬間奏くんは私の肩をそっと引き寄せて言った。

「でも、そのちゃんのことは渡さないから。」


飛鳥の口元がふっと緩む。

「奇遇だな、俺も簡単に渡す気ないし。」


二人の視線がぶつかる。

バチッ――。

本当に火花が散ったような空気が流れる。


前を歩いていた紗羅ちゃんが振り返って目を輝かせる。

「わぁ……!始まった始まった!」


舜くんは呆れたようにため息をつく。

「……面倒なライバルが2人になったな。」


頼くんは苦笑しながら肩をすくめた。

「これはしばらく賑やかになりそうだね。」


私は二人に挟まれたまま、真っ赤な顔で固まるしかなかった。

(ど、どうしよう……。)

(二人とも全然引く気がない……!)