「──詩。」
聞き慣れた優しい声。
「……!」
反射的に顔を上げる。
そこには穏やかに微笑む飛鳥と。
その隣には頼くんが立っていた。
「飛鳥……っ!」
気づけば私は走り出していた。
飛鳥の前まで駆け寄ると、そのままそっと抱きつく。
ぎゅっ。
「……!」
飛鳥は一瞬驚いたように目を丸くした。
けれどすぐに優しく笑うと、私を包み込むように抱きしめ返してくれる。
「ありがとう……飛鳥。」
小さく呟く。
飛鳥は私の頭を優しく撫でながら微笑んだ。
「頑張ったな、詩。」
その一言だけで。
また泣きそうになる。
私はゆっくり体を離そうとした。
その時。
ぎゅっ。
「え……?」
飛鳥がもう一度、少しだけ強く抱きしめる。
そして耳元で、小さく囁いた。
「詩…好きだよ。俺、詩のこと大好き。」
「……っ!」
耳元で何度も「好き」が降ってくる。
「す、ストップ……!」
顔が一気に熱くなる。
恥ずかしすぎて何も言えない。



