無口な君は、誰よりも綺麗だった。


そんな時だった。


ぐぅぅぅ〜。

屋上に、思った以上に大きなお腹の音が響く。


「……。」


一瞬、全員が固まる。

そして。


「わあっ……!」


紗羅ちゃんが顔を真っ赤にして、お腹を押さえた。


「や、やだぁ!恥ずかしい〜!!
気が抜けたら急にお腹空いちゃった!」


その様子がおかしくて。

思わずみんなの口元が緩む。

さっきまで涙ばかり流れていた屋上に、小さな笑い声が戻ってきた。


「詩ちゃ〜ん。」


紗羅ちゃんはいつものように私の腕へぎゅっと抱きつく。


「お腹すいたぁ〜。」


「ふふっ。」


(……この感じ久しぶりだ。)


自然と頬が緩む。


そういえば――。


私は朝、飛鳥と頼くんに見送ってもらった時のことを思い出した。


(あっ。)


「そうだ。」


私は肩に掛けていたバッグを開ける。


「朝、頼くんが作ってくれたパンケーキがあるんだった。」


「えっ!?」


紗羅ちゃんの目が一気に輝く。


「パンケーキあるの!?食べたい食べたいっ!」

さっきまで泣いていたとは思えない勢いで身を乗り出してくる。