無口な君は、誰よりも綺麗だった。

「……今日は帰ります、家で聴きたいので。」


「あ……うん!もちろん!」


そう答えると、園崎さんは静かに頭を下げた。


「失礼します。」


そのまま音楽室を後にする。


扉が閉まる音が響いた瞬間――。


「うおおおおっ!!」


紗羅が勢いよく俺に飛びついた。


「奏っ!! 今のって!?脈アリ!?」


「いや、まだ分かんねぇだろ。」

そう言いながらも、舜の口元も少し緩んでいる。


俺は閉まった扉を見つめたまま、小さく笑った。


(まだ、決まったわけじゃない。)


(でも。)


(一歩だけ、前に進めた気がする。)


学祭ライブまで――

残り四日。