無口な君は、誰よりも綺麗だった。

その時だった。

ガチャ――。

屋上の扉がゆっくり開く音がした。

「……!」


私は驚いて振り返る。


(誰……?)


視線を向けた、その瞬間。


「そのちゃん。」


聞き慣れた優しい声。

私は思わず息をのむ。


「……奏くん。」


奏くんが、いつもの柔らかな笑顔で私を見つめていた。

名前を呼ばれただけなのに。

胸の奥がじんわりと温かくなる。

(……嬉しい。)


そんな気持ちが込み上げてきてしまう自分に、少し戸惑う。

奏くんの後ろからは、紗羅ちゃんが心配そうに顔を覗かせた。

「詩ちゃ……。」


その隣には、静かに立つ舜くん。

三人とも真っ直ぐ私を見つめている。