無口な君は、誰よりも綺麗だった。

♪――。

優しい音。

だけど、その音色はどこか揺れていた。

一音一音に、迷いが滲んでいる。


(……だめだ、感情がジェットコースターみたい。)


(そのままギターの音にも出ちゃってる。)


私は演奏を止め、小さくため息をつく。


「はぁ……。私、弱いな。」


朝はあんなに勇気があったのに。


「今日こそ話そう。」

そう決めたはずなのに。


結局、一歩も踏み出せなかった。


ギターを抱きしめながら、空を見上げる。


夕焼けが少しずつ校舎を赤く染め始めていた。

(飛鳥、頼くん。)

(せっかく朝から応援してくれたのに。)


私は苦笑いを浮かべる。

「知ったら、がっかりされるだろうな。」