無口な君は、誰よりも綺麗だった。

重たい沈黙が音楽室を包む。


その中で、奈々がゆっくり立ち上がった。


力なく笑いながら、小さく息を吐く。

「……わかった、もういいよ。」


そう言って音楽室を出ようとした、その時。


「待て、奈々。」


俺は思わず奈々を呼び止めた。

奈々の足が止まる。

振り返らないまま、小さく肩が震えていた。

「今日の放課後、そのちゃんに謝りに行こう。」


「……っ!」

奈々が勢いよく振り返る。

目には驚きが浮かんでいた。

「本当は。」

俺は奈々を真っ直ぐ見つめる。

「ギターの弦を切ったり、譜面やピックを隠したり。
そんなこと、本当にしたかったわけじゃないだろ。」

奈々は何も答えない。

ただ唇を強く噛み締めている。

俺は静かに続けた。