無口な君は、誰よりも綺麗だった。

(……奈々。)

今日、しっかり向き合わなきゃいけない相手。

きっと簡単には終わらない。

でも、逃げたら何も変わらない。

飛鳥くんに言われた言葉が頭の中で何度も響く。

『何が本当に大切か、しっかり考えな。』


(ちゃんと考えたよ。)

俺が本当に守りたかったものは。

Astralでも。

ライブの成功でも、誰かの評価でもない。

そのちゃんの笑顔だった。

なのに俺は、その笑顔を自分の手で消してしまった。

拳をぎゅっと握る。


(ごめん……そのちゃん。)


(ちゃんと話し合って、全部解決したら俺から迎えに行くから。)


その想いを胸に。

俺はまっすぐ学校への道を歩き出した。