無口な君は、誰よりも綺麗だった。

奏 side

朝の空気は少しひんやりしていた。

制服に袖を通しながら、俺は静かに息を吐く。


(……今日は、逃げない。)


もう、自分をごまかすのはやめよう。


守るためだなんて言い訳をして。


一番大切なそのちゃんを、一番傷つけた。


そんな後悔を、もう繰り返したくない。


鞄を肩に掛けると、俺は家を出た。


学校へ向かう途中、スマホを取り出す。


グループトークを開いて、ゆっくり文字を打つ。


『今日の昼休み、一緒に昼ごはん食べよう。話したいことがある。』


送信。

数秒もしないうちに返信が返ってきた。


紗羅
『うん!行く!』


『了解。』

少し遅れて。

奈々
『いいよ〜!なんか大事な話?』

その文字を見つめながら、俺は小さく画面を閉じた。