無口な君は、誰よりも綺麗だった。

そして――

ぎゅっ。

「……っ!」


突然、優しく抱きしめられる。


(ま、まだ朝なんですけど……飛鳥。)


恥ずかしくて顔が熱くなる。

そんな私に、飛鳥は静かな声で言った。


「離れててもちゃんと詩のこと見てるから、頑張れよ。」


「……飛鳥。」



恥ずかしくて、抱きしめ返すことはできなかった。
それでも、飛鳥を見上げて小さく微笑む。


「うん…っ頑張ってくる。」


飛鳥は満足そうに笑うと、ゆっくり腕を離した。


私は二人の顔を交互に見つめる。


こんなにも応援してくれる人がいる。

わたし、一人じゃない。
そう思うと自然と笑顔がこぼれた。


「飛鳥、頼くん。
……行ってきます!」


二人も優しく笑い返してくれる。


「「行ってらっしゃい。」」


その一言だけで、不思議なくらい勇気が湧いてきた。


「ありがとう。」


心の中でそっと呟き、私は二人に手を振る。

二人も最後まで手を振り返してくれた。

私は前を向き、一歩踏み出す。


(……頑張る。)


(ちゃんと、自分の気持ちを伝えるんだ。)

そう強く胸に誓いながら、私は学校へ向かって歩き始めた。