「……あ。」
少しひんやりした指先。
でも、その手はとても優しかった。
飛鳥は私の顔を見つめたまま、小さく笑う。
「顔色、前より良くなったな。」
「……。」
「でも。」
少しだけ眉を下げる。
「寝れてないだろ。目の下少しクマできてる。」
「……っ。」
図星だった。
何も言い返せずにいると、飛鳥は困ったように笑う。
「ちゃんと寝ろ。
そのままだと、いつか倒れるぞ。」
その声は叱るようでいて、とても優しい。
私は小さく頷いた。
「……うん、ありがとう。」
飛鳥は安心したように小さく息を吐く。
「それでいい。」
私はそっと自分の頬へ手を当てる。
(ち……違う。)
(今ドキッとなんてしてない…し)
急に触られたから。
びっくりしただけ。
……そう、ただそれだけ。
そう自分に言い聞かせるのに。
胸の鼓動だけは、なかなか落ち着いてくれなかった。



