しばらくすると――
店内は、焼きたてのパンケーキの甘く優しい香りに包まれていた。
(いい匂い……。)
思わずお腹が鳴りそうになる。
ジュウジュウという音が止み、頼くんが盛り付けを終えたのかお皿を手にこちらへ歩いてきた。
「はい園崎さん、お待たせ。」
私の前にそっとお皿が置かれる。
「わあ……!」
思わず目を輝かせた。
目の前には、ふわふわに焼き上がったパンケーキ。
真っ白で柔らかそうな生クリームがたっぷりのっていて、その上からキャラメルソースがかかっている。
見るだけで幸せな気持ちになる一皿だった。
「美味しそう……!
ありがとう、頼くん。」
頼くんは照れくさそうに笑う。
「どういたしまして。」
私はフォークを持とうとした、その時。
「あ。」
頼くんがパンケーキをナイフで一口サイズに切り分ける。
そして、そのままフォークに刺して――
私の口元へ差し出した。
「はい、園崎さん……口開けて。」
「……え?」
一瞬、頭が真っ白になる。



