無口な君は、誰よりも綺麗だった。

「よ、頼くん。」


「偶然だね。」


頼くんは柔らかく微笑みながら、私の方へ歩いてくる。

「園崎さん、今帰り?」


「うん。」


「1人?」


「……うん1人。」


その言葉を口にした瞬間。


胸が少しだけ締めつけられて、私はギターケースの肩紐をぎゅっと握った。


その小さな仕草に気づいたのか、頼くんは何も聞かず、少しだけ間を置いて口を開く。

「園崎さん。」


「ん?」


「このあと時間ある?」


「え?」


思わず顔を上げる。

頼くんは少し照れくさそうに笑った。

「甘いもの好き?」


「好き!」


思わず即答すると、頼くんも思わず笑う。


「おすすめのパンケーキ屋さんがあるんだけど、よかったら一緒に行かない?」


(パンケーキ……。)


ふわふわのパンケーキが頭に浮かぶ。

なんだか今日は、甘いものが食べたい気分だった。