詩 side
Astralを抜けてから、数週間。
心にぽっかり穴が空いたような毎日を過ごしていた。
ただ、一つだけ変わったことがある。
Astralを抜けた途端――
ギターの弦が切られたり、ピックや譜面がなくなったりする嫌がらせは、まるで嘘だったかのようにぴたりと止んだ。
(……やっぱり、あれは。)
そう思っても、もう考えるのはやめた。
今は、それ以上に胸が苦しかった。
◇
放課後。
いつもの癖で音楽室へ向かう階段を上がりかけて、私は慌てて足を止める。
「あ……。」
もう、私はAstralのメンバーじゃない。
そう思い出して、小さく笑ってしまう。
踵を返し、今度はゆっくりと階段を下りた。
屋上へ行く気分にもなれない。
寄り道をする元気もなく、そのまま真っ直ぐ家へ帰ろうと駅へ向かう。
(一人なんて、前は平気だったのにな。)
昔は、一人でギターを弾く時間が好きだった。
一人で音楽と向き合う時間が心地よかった。
それなのに、いつの間にか――
みんなと笑いながら音楽をする時間が、私の”当たり前”になっていた。
だから今は、一人の時間が少しだけ苦しい。
ギターケースの肩紐を握りしめながら歩いていると――
「園崎さん。」
聞き慣れた優しい声がした。
「……え?」
振り返ると、そこには頼くんが立っていた。
Astralを抜けてから、数週間。
心にぽっかり穴が空いたような毎日を過ごしていた。
ただ、一つだけ変わったことがある。
Astralを抜けた途端――
ギターの弦が切られたり、ピックや譜面がなくなったりする嫌がらせは、まるで嘘だったかのようにぴたりと止んだ。
(……やっぱり、あれは。)
そう思っても、もう考えるのはやめた。
今は、それ以上に胸が苦しかった。
◇
放課後。
いつもの癖で音楽室へ向かう階段を上がりかけて、私は慌てて足を止める。
「あ……。」
もう、私はAstralのメンバーじゃない。
そう思い出して、小さく笑ってしまう。
踵を返し、今度はゆっくりと階段を下りた。
屋上へ行く気分にもなれない。
寄り道をする元気もなく、そのまま真っ直ぐ家へ帰ろうと駅へ向かう。
(一人なんて、前は平気だったのにな。)
昔は、一人でギターを弾く時間が好きだった。
一人で音楽と向き合う時間が心地よかった。
それなのに、いつの間にか――
みんなと笑いながら音楽をする時間が、私の”当たり前”になっていた。
だから今は、一人の時間が少しだけ苦しい。
ギターケースの肩紐を握りしめながら歩いていると――
「園崎さん。」
聞き慣れた優しい声がした。
「……え?」
振り返ると、そこには頼くんが立っていた。



