無口な君は、誰よりも綺麗だった。

園崎さんを連れて音楽室へ入る。


扉を開けた瞬間、舜がこちらを見た。


「おー、奏! 遅いぞ。一体何を……って、園崎?」


「えー!? ほんとだ…園崎さんだあ!」

紗羅が目を丸くしながら駆け寄ってくる。


突然たくさんの視線を向けられた園崎さんは、慌てるようにパーカーのフードを深く被った。


「奏、なんで園崎をここに連れてきたんだ?」


舜に聞かれ、俺はゆっくり息を吸う。


「どうしても……園崎さんしかいないと思った。」


そう言って園崎さんの前に立つ。


「園崎さん。」


「……。」


「実は俺たち、今週の日曜日の学祭ライブに出演するんだ。」

静かに俺の話を聞く園崎さん。


「でも一週間前にギターボーカルが突然辞めちゃって……。」


「このライブのために、みんなで何ヶ月も頑張ってきた。」


「だから、どうしても諦めたくない。」


一度言葉を切り、真っ直ぐ園崎さんを見つめる。


「お願い、このライブに出るためには園崎さん……君の力が必要なんだ。」


俺は深く頭を下げた。


音楽室が静まり返る。


長い沈黙のあと、園崎さんはゆっくりと踵を返し、扉へ向かって歩き出した。