無口な君は、誰よりも綺麗だった。

飲みかけの紅茶を最後まで飲み干す。

カチャ、と静かにカップをコースターへ置いた。


そして、ゆっくり目を閉じる。

「……飛鳥くん。」


思わず苦笑いがこぼれた。


「かっこよすぎるでしょ。」


あんな真っ直ぐな人、初めて見た。

そのちゃんのためなら、自分が悪者になってでも動く。


言いたいことを全部ぶつけて、それでも最後までそのちゃんの幸せだけを考えていた。


(とんでもない人がライバルになったな。)


そう思うと、少しだけ悔しくて。

でも同時に、どこか納得してしまう自分もいた。

飛鳥くんの言葉が、何度も頭の中で繰り返される。


『詩はそこまで弱い子じゃないよ。』


『一番怖いのは、大切な居場所を失うことだ。』


「……。」


そのちゃん。


俺、間違ってた。


守ることばかり考えて。


そのちゃんの気持ちを、ちゃんと見ようとしてなかった。


そのちゃんは弱い子なんかじゃない。


何度転んでも立ち上がる。


誰よりも努力して。


誰よりも人に優しくて。


どんな困難にも、前を向こうとする。


そんな強い子だった。