「……あれは、昔俺たちが詩から奪ったものだ。」
その言葉に、呼吸が浅くなる。
「でも。」
飛鳥くんはゆっくりと視線を戻す。
「Astralは、詩の笑顔も音楽の楽しさも全部取り戻してくれた。」
俺は何も言えなかった。
言葉が喉の奥で全部崩れていく。
飛鳥くんの視線が、まっすぐ刺さる。
「高杉くん。」
名前を呼ばれた瞬間、背筋が強張る。
「君が何を守ろうとしてるのかは知らない
でも一つだけ言わせて。」
一拍。
呼吸が止まる。
「詩は、高杉くんが思ってるほど弱い子じゃない。
誰かに何をされても、何度だって立ち上がれる。」
その言葉に、なぜか胸が痛む。
(わかってる、そんなの…俺だって。)
「……。」
言葉が出ないまま、視線だけが揺れる。
飛鳥くんの声が、少しだけ低くなる。
「でもな。」
その一言に、空気がさらに重くなる。
「詩が一番怖いのは、大切な居場所を失うことなんだ。」
その瞬間、胸の奥が強く掴まれたみたいに痛んだ。
呼吸が浅くなる。
視界がわずかに揺れる。



