無口な君は、誰よりも綺麗だった。

歌うために言葉を書くんじゃない。


言葉を届けるために、歌う。


そんな想いが伝わってくる気がした。


切なそうに微笑む園崎さんから、目が離せない。

(……やっぱり、誘いたい。)


その時。
ブブッ。

スマホが震えて画面を見ると、舜と紗羅からメッセージが届いている。

『奏ー! 今どこ?』


『顧問も待ってるぞ! 早く来いー!』


「あっ……。」


もう話し合いの時間だ。


俺はスマホをしまうと、園崎さんへ向き直った。

「園崎さん。」


「……?」


「ちょっとだけ、付いて来てほしい。」


園崎さんは不思議そうに首を傾げる。

「……何、で?」


「緊急事態。」


そう言って苦笑すると、園崎さんは少しだけ困ったような表情を浮かべた。


眼鏡を掛け直し、マスクをつける。


少し迷ったあと、小さく頷いてくれた。

「……。」


そのまま俺の後ろを、静かについて歩き始めた。