無口な君は、誰よりも綺麗だった。


「あ……。確か飛鳥さん……ですよね?
俺に何か用ですか?」


飛鳥は小さく笑いながら、ゆっくり近づいてくる。

「そのちゃんなら……今日は一緒には――」


俺がそう言いかけると、飛鳥は軽く首を振った。

「いや今日は詩じゃなくて、高杉くんに話があって来た。」


「……俺?」


思わず聞き返す。

飛鳥は苦笑しながら肩をすくめた。

「あとさ、俺ら同い年なんだから、
“さん”付けはいらないよ。タメ口でいいから」


「あ……うん。」


少しだけ緊張が解ける。


(前も思ってたけど……男の俺から見ても、本当に綺麗な人だな。)


そんなことを考えていると、飛鳥くんが学校の外を指差した。

「ここじゃ話しづらいし。
駅前のカフェで少し話さない?」


「時間、大丈夫?」


俺は少し迷ったあと、小さく頷く。


「……うん。」


飛鳥は「ありがと」とだけ言って歩き始めた。

俺もその後ろを追いかける。


(飛鳥くんが俺に話……。)


一体、何を聞かされるんだろう。


胸の奥に、小さな緊張を抱えながら。

俺たちは駅前へと向かった。