無口な君は、誰よりも綺麗だった。

奈々が出て行ったあと。

音楽室には重たい沈黙だけが残っていた。

誰も口を開かない。

誰も楽器を手に取らない。

そんな空気の中、紗羅がゆっくり立ち上がる。


「……じゃあ、私も今日は帰るね。」

元気のない笑顔。

無理に笑おうとしているのが分かる。

舜も静かに立ち上がった。

「俺も帰るわ。またな、奏。」


「ああ。」

俺は小さく手を振り、二人を見送った。


ガラッ。

扉が閉まる。

広い音楽室には、俺一人だけが残された。

「……。」