無口な君は、誰よりも綺麗だった。

再び立ち上がって歩き始める。


頭に浮かぶのは。


さっきの詩の言葉。

『私、もうメンバーじゃないから。』


「……。」


詩のやつ。

本当は今でも。

Astralで音楽を続けたいはずだ。



紗羅



あいつらと一緒にいる時の詩は。

昔とは全然違った。

楽しそうで。

自然に笑っていて。

音楽を心から楽しんでいた。


(……。)


俺は一度。
そんな詩から笑顔を奪った。


音楽を苦しいものにした。


だから、もう二度と
同じことはしたくない。


詩には笑っていてほしい。


大好きな音楽を、大好きな仲間と共に
ずっと続けていてほしい。


(だったら、今の俺にできることは……。)


足を止める。

そして。

強く拳を握る。


「……。」


詩。

今度は。

俺がお前のために動く番だ。

お前がもう一度笑えるように。

お前が大切にしている場所を守れるように。

――詩の笑顔のために。

そう。

一つの決意をした。