無口な君は、誰よりも綺麗だった。

文化祭ライブまで、残り四日。


今日も俺は、音楽室へ行く前に屋上へ向かっていた。

理由は一つ。
園崎さんの歌を聴くため。


屋上の扉をそっと開けると、園崎さんがギターを抱えていた。


優しく弦を弾き、静かに歌い始める。


今日も変わらない、透き通る歌声。


教室では見せない柔らかな笑顔。


楽しそうにギターを奏でるその姿は、思わず見惚れてしまうほど綺麗だった。


(……やっぱり、この人しかいない。)


(園崎さんと、一緒にバンドがやりたい。)


歌が終わると、園崎さんはギターをケースへしまい、小さなノートを取り出した。


何かを書き始める姿が気になり、そっと隣へ近づく。

「何を書いてるの?」


園崎さんは少しだけ手を止めると、何も言わずノートを俺へ向けた。