無口な君は、誰よりも綺麗だった。


ゆっくりお風呂に入らせてもらった。


体に残っていた雨の冷たさも、少しずつ消えていく。


飛鳥が用意してくれた部屋着に着替えて、鏡を見る。


「……大きい。」


袖も少し余っている。

でも。

なぜか少し安心するような、不思議な温かさがあった。

私はお風呂場を出て、リビングへ向かう。


「あの……お風呂、ありがとうございました。」


キッチンに立っていた飛鳥が、こちらを見る。


「あーおかえり。ココア飲む?」


「……うん、ありがとう。」


その優しさに、胸がじんわり温かくなる。


(……。)


でもその時ふと
奏くんの顔が浮かんだ。



(奏くんも……きっと同じことするんだろうな。)


そう思ってしまったことは。


今は忘れることにした。





しばらくして。


「ほら。」


飛鳥が温かいココアを置いてくれる。

「熱めにしてるから、気をつけて飲めよ。」


「うん……ありがとう。」

私はカップを両手で包む。

温かい。

甘い。

それだけなのに。

なんだか涙が出そうになった。


「……。」


ゆっくり飲んでいると。

飛鳥がソファーから立ち上がった。

そして何かを持って戻ってくる。