「今のままの詩を帰した方が心配だし、それにこのままじゃ、肺炎コースになるよ。」
その言葉に思わず小さく笑ってしまう。
「……ふふ。」
飛鳥も少しだけ笑った。
「あ、笑った。」
その一言が、胸にじんわり染みた。
今の飛鳥は命令することも、怒ることもない。
ただ私を心配してくれている。
その優しい眼差しと穏やかな声に。
「……。」
私はもう断ることができなかった。
小さく頷く。
「……じゃあ、少しだけ。」
飛鳥は安心したように息を吐くと、私に傘を差し出した。
「うん、立てるか?ゆっくりでいいから。」
「……ありがとう、飛鳥。」
私は飛鳥の隣を歩き始める。
冷たい雨はずっと降り続いて
だけど肩に掛けられた上着の温もりだけは、不思議なくらい温かかった。



