「詩。」
その声は中学の頃とは違う。
責める声でも、命令する声でもない。
ただ心配するような、優しい声だった。
「どうしたんだ、こんな所で。一人?」
その一言を聞いた瞬間。
張りつめていたものが、また少しだけ揺らいだ。
私は力なく笑った。
「飛鳥……。」
震える声で呟く。
「私……また、一人ぼっちになっちゃった。」
その言葉を聞いた飛鳥は、何も言わなかった。
ただ静かに自分の着ていた上着を脱ぐと、そっと私の肩へ掛けてくれる。
ふわっと温もりに包まれた。
「飛鳥……?」
飛鳥はしゃがんだまま、優しく微笑む。
「それ着とけ、風邪ひくから。」
私は慌てて首を振る。
「で、でも……飛鳥が寒いよ。」
「俺は平気。」
短く答えると、飛鳥は少しだけ困ったように笑った。
「俺の家すぐそこだから、とりあえず来なよ。」
「え……。」
突然の言葉に戸惑う。
「でも……迷惑じゃ……。」
「迷惑なわけないだろ。」
飛鳥は優しい声で続けた。



