一粒。
また一粒。
やがて空は大粒の雨を降らせ始める。
ザーッ――。
あっという間に制服も髪もびしょ濡れになった。
まるで。
私の心を映したみたいな雨だった。
「……惨めだな。」
小さく呟く。
雨音に紛れて、自分の声さえ遠く聞こえた。
(……やっぱり、私は誰かと一緒にバンドなんてやらない方がよかったんだ。)
最初から分かっていた。
人と一緒に音楽をやれば。
また失う日が来るかもしれないって。
それでも。
Astralのみんなとなら違うって、信じてしまった。
「……結局。」
私は雨に打たれたまま、立ち上がることもできずに呟く。
「私は……一人。」
その瞬間。
「何してるんだ、こんなところで。」
聞き覚えのある声がした。
私はゆっくり顔を上げる。
雨で霞んだ視界の先。
一本の傘が、私を覆っていた。
「あす……か。」
そこに立っていたのは飛鳥だった。
飛鳥は何も言わず、私の前へしゃがみ込む。
そして濡れないように、そっと傘を傾けてくれた。



