無口な君は、誰よりも綺麗だった。

それから俺たちはステージ裏を出て、控え室へ向かおうとしていた。


その時だった。


「詩!!」


突然、大きな声が響く。


そのちゃんが足を止めて振り返る。


「……飛鳥。」


Luna novaのキーボード担当。

そして、あのバンドのリーダー。

男の俺から見ても整った顔立ちで、どこか人を惹きつける雰囲気がある人だ。


飛鳥さんはゆっくりそのちゃんの前まで歩いてくる。


「どうし……たんですか。」


少し緊張したようなそのちゃんの声。


飛鳥さんは少し俯いたまま、小さく息を吐いた。

「ごめん……詩、ごめんな。
俺は詩に、沢山厳しいこと言った。」


「飛鳥……。」


「本当は俺の方が音楽やる筋合いなんてないんだ。
リーダーなのに、自分の理想ばっか押し付けて。」


「一方的に無理難題を詩へ頼み続けた。
全部……俺が悪かった。」


そのちゃんはゆっくり首を横に振る。


「飛鳥は……。私だけじゃなくて、自分自信にも厳しかったよね。だから音楽やる筋合いがないなんて、そんなこと言っちゃダメ。」