無口な君は、誰よりも綺麗だった。

Luna novaの演奏が始まった。


一曲目から会場の空気が一気に変わる。


力強いドラム。

響き渡るベース。

そして――

頼くんが、私のギターを奏で始めた。


「……。」


私は自然とその姿に見入ってしまう。

指先が滑らかに弦の上を駆ける。

コードチェンジも速くて綺麗。

ソロパートでは、会場から大きな歓声が上がった。


「うわぁ……!」


紗羅ちゃんも目を輝かせている。


「頼くんって人すごいね!」


私は小さく頷いた。


「……頼くん、あの頃よりめちゃくちゃ上手くなってる。」


昔よりもずっと。

音に自信があった。

きっと、誰にも見えないところで努力してきたんだ。

その姿が、音から伝わってくる。



演奏が終わると、会場は大きな拍手に包まれた。

「ありがとうございました!」

Luna novaの四人は深く頭を下げ、ステージ裏へ戻ってくる。

そして、そのまま私の前で立ち止まった。

最初に口を開いたのは成くんだった。

「詩ちゃん……。」

少し俯きながら、小さな声で言う。

「今まで沢山傷つけること言って……悪かった、ごめん。」