無口な君は、誰よりも綺麗だった。

(……あの時の私に似てる。)


でも今の私は、もう違う。


私は一歩、また一歩と四人へ近づいた。


「あ……あの。」


私の声に、元メンバー全員が一斉に振り返る。


「園崎さん……。」


私は背負っていたギターケースを下ろした。


そして静かに開ける。


中には、さっき私も使っていた大切なギター。

私はそれを両手で頼くんへ差し出した。

「頼くん私のギター……使う?
ごめん、少し会話が聞こえちゃって。」


頼くんは驚いたように目を見開く。


「園崎さん……。」


「いいの?」

私は優しく微笑んだ。

「うん私の相棒、貸すよ。
大事に使ってね。」

頼くんは震える手でギターを受け取る。


まるで壊れ物を扱うように、そっと抱きしめた。

「ありがと……ありがとう、園崎さん。」


その目は少し潤んでいた。

私は飛鳥くんたち四人へ視線を向ける。

そして、にこっと笑う。

「みんな行ってらっしゃい。」

その一言に。

4人は驚いたように目を見合わせる。

そして飛鳥くんが、小さく頷いた。


「……ああ。行ってくる。」


Luna novaの4人は、園崎詩から託されたギターと想いを胸に、ステージへ向かって歩き出した。