無口な君は、誰よりも綺麗だった。

「詩ちゃん最高だったー!
ギターソロかっこよすぎたよ!」


「ありがとう……紗羅ちゃんもかっこよかったよ。」


その様子を見ていた舜くんも、小さく笑う。


「じゃあ俺も。」


ぽんっと優しく抱き寄せられる。


「お疲れ、詩。」


「お疲れ様、舜くん。」


四人で顔を見合わせる。


誰からともなく笑い声がこぼれた。




その時だった。


『続いては――Luna novaの皆さんです!』


場内アナウンスが響く。


(Luna nova……。)


頼くんたちのバンドだ。


(少しだけ聴いてから控室に戻ろう。)

そう思った、その時――。


「何やってんだ!?」


飛鳥の焦った声が聞こえた。


「頼、ギターが壊れたって本当か!?」


「……わ、悪い。」


頼くんが困ったように俯いている。


ケースの中には、弦が切れ、演奏できない状態になったギターがあった。


(……。)


その姿を見た瞬間。

胸が締めつけられる。

昔ライブ直前、声が出なくなった私。

焦って怖くて。

誰にも頼れなかった、あの日の自分。