無口な君は、誰よりも綺麗だった。

私は小さく息を吸う。

そして振り返る。

奏くん。

紗羅ちゃん。

舜くん。

三人とも優しく微笑みながら、静かに頷いてくれた。

その笑顔だけで、不思議と緊張がほどけていく。

(大丈夫、私はもう、一人じゃない。)

(始めよう、私たちの音をここにいるみんなへ届けよう。)

奏くんがベースを構え、にっと笑う。

「いくよ!」

ドラムスティックを構えた舜くんが頷く。

紗羅ちゃんもキーボードに指を添えた。

そして――

「ワン・ツー。」

一拍置いて。

「ワン・ツー・スリー!」

舜くんの力強いカウントと同時に――

ジャーンッ!!

ギターが鳴る。

続いてベースが重なり、キーボードが彩りを添え、ドラムが会場を揺らす。

四人の音が一つになった瞬間。

野外フェスのステージに、Astralのライブが幕を開けた。