無口な君は、誰よりも綺麗だった。

少し照れながら答えると、頼くんは真剣な表情になる。


「園崎さん……ごめん。
俺、昔のことをずっと後悔してた。」


私は黙って頼くんの言葉を待つ。


「やっぱり園崎さんの音は、いつ聴いても好きだ。
昔からそうだった。」


「園崎さんがギターを弾くと、その音だけで空気が変わる。」


その言葉に、私は少し驚く。

昔の頼くんは、そんなことを一度も言ってくれなかった。


頼くんは海を見つめたまま、静かに続ける。


「俺も園崎さんと同じギター担当だったから。誰よりも一番近くで園崎さんの努力を見てきた。」


「なのに……俺は気づいたら園崎さんの実力に嫉妬してた。」


「自分だけ遅れてるような気がして…悔しかった。」


「だから、あの日…飛鳥たちが園崎さんにきつく当たっても……止められなかった。」


頼くんは拳をぎゅっと握り締める。


「守れなくて……ごめん。」


夜の海風が、二人の間を静かに吹き抜けた。


私はギターをそっと抱きしめる。


「頼くん。」


「ん?」


「……私、あの頃はすごく苦しかったです。
毎日、『もっと上手くならなきゃ』って。」


「『失敗しちゃいけない』って
ずっと自分を追い込んでいました。」


頼くんは何も言わず、静かに耳を傾けてくれる。


「でも。」

私は小さく笑った。


「Astralのみんなに出会って……変われました。
みんなは、『失敗してもいい』って言ってくれるんです。」


「『一緒に挑戦しよう』って、だから……。」


私は夜空を見上げる。


「嫌いになりそうだった音楽が、今はすごく楽しいです。」


その言葉を聞いた頼くんは、少し寂しそうに、それでも嬉しそうに笑った。