無口な君は、誰よりも綺麗だった。

砂浜をゆっくりと踏みしめる足音が聞こえた。

「……やっぱり、園崎さんだ。」


その声に、私は歌うのをやめて振り返る。

「……頼くん。」

街灯に照らされながら立っていたのは、頼くんだった。


昼間ぶりに会うはずなのに、どこか気まずそうな表情をしている。

「ごめん。」


頼くんは頭を掻きながら苦笑した。

「盗み聞きするつもりじゃなかったんだ。」


「歌声が聞こえてきて……つい。」

私は小さく首を横に振る。


「……大丈夫です。」

その言葉に、頼くんは少し安心したように笑った。


しばらく二人とも何も話さない。

聞こえるのは、静かな波の音だけ。


やがて、頼くんがゆっくりと口を開いた。

「園崎さん。」


「……はい。」


「今日の演奏、すごかった。
園崎さんがギターを奏でた瞬間、空気が全部変わった。」


「俺、正直鳥肌が立ったよ。」


「……ありがとうございます。」