無口な君は、誰よりも綺麗だった。

私はギターケースを抱え直す。

「奏くん。」


「ん?」


「……少しだけ緊張してきました。」

すると奏くんはにこっと笑って、小さく拳を差し出した。

「じゃあ、おまじない。
今日も四人なら大丈夫。」

その笑顔を見て、自然と笑みがこぼれる。

私も小さく拳を合わせた。

「……はい、Astralで、最高の音を届けましょう。」


「もちろん!」


四人は並んで練習室を出る。


その背中を見つめながら、頼くんは誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた。


「……頑張って、園崎さん。」


その言葉は、夏の風に乗って静かに消えていった。