無口な君は、誰よりも綺麗だった。

(こんなに……。)

こんなにもたくさんの人が。

私たちの音を聴いてくれていた。

すると先生が続ける。

「実は、この合宿へ参加している学校の生徒たちも、Astralのことを知っている人がかなり多いんですよ。」


「だから先ほど、『ぜひ演奏を見たい』という声がたくさん上がりまして。」


奏くんが照れくさそうに頭を掻く。


「えぇ……そんな有名になってたの?」


「俺たち全然知らなかった。」

舜くんも苦笑する。

「だから受付で妙に見られてたのか。」


「あっ!」

紗羅ちゃんが思い出したように声を上げた。


「そういえばさっきも、『Astralだ!』って言われてた!」


「私は誰か知り合いなのかなって思ってた!」


その言葉に、みんなで笑ってしまう。

でも私は、一人だけ胸が熱くなっていた。

(私たちの音が……。)

ちゃんと届いていたんだ。

怖くて、人前で歌えなくなった私の歌が。

今は誰かの心へ届いている。

その事実だけで、胸がいっぱいになる。

すると奏くんが私の隣で小さく笑った。

「そのちゃん。」


「……はい。」


「俺、もっと頑張りたくなった。
もっとたくさんの人に、Astralの音を届けよう。」


私は奏くんの言葉にゆっくり頷く。


「……はい、私も歌いたいです。」

その瞬間。

四人の想いは、一つになっていた。