無口な君は、誰よりも綺麗だった。

「それは……奏くんのおかげです。」


「え?」


「いや…みんなのおかげ、です。」

私がそう言うと、奏くんは少し照れたように笑った。


「それなら、嬉しいな。」


ランニングを終えると、先生たちが全員をグラウンドへ集めた。

「お疲れ様!
水分補給をしたら、次は各バンドごとに練習だ!」


「フェス本番まで時間は限られてる!しっかり仕上げていこう!」


「「はい!!」」

私たちは体育館横にある音楽練習棟へ向かった。

中には防音の練習室がいくつも並んでいる。

「すご……。」

思わず声が漏れる。

「こんなに部屋あるんだ。」

奏くんも周りを見渡している。

「全部埋まるなんてすごいよな。」

受付で部屋番号を受け取り、私たちは指定された練習室へ入った。

ドラムセット。

キーボード。

アンプ。

必要な機材はすべて揃っている。

「よーし!」

山岸先生がパンッと手を叩く。

「まずは音合わせから!」

「「「はい!」」」

「……はい。」

それぞれが定位置につく。

私はギターを肩に掛け、チューニングを始めた。

キーン……

小さく音を鳴らしながら、一つひとつ確認していく。