無口な君は、誰よりも綺麗だった。

すると――。


「高杉くん。」


振り返ると、クラスの女子が少し照れくさそうに立っていた。

『これから一緒にお昼食べない?』


「ごめん。予定あるんだ。」


軽く笑って答える。


「それに、俺彼女いるから。」


そう言って教室を後にした。


中庭へ向かう途中。


見慣れた後ろ姿が目に入る。


「あ……。」


俺の彼女、藍だった。


声を掛けようとした、その瞬間。


藍は知らない男子生徒の胸に顔を埋め、甘えるように抱きついていた。


その男子も優しく抱き返している。


(……は?)


一瞬、目を疑った。

転びそうになって支えてもらっただけ。


そう思いたかった。


だけど違う、あれは恋人同士の距離だ。