無口な君は、誰よりも綺麗だった。

去年までとは違う夏。

その言葉が胸に響く。

私は一人じゃない。

今は、隣にみんながいる。

「よーし!」

奏くんが手を前に差し出した。

「フェス優勝目指して頑張るぞ!」

「おー!」

紗羅ちゃんが元気よく手を重ねる。

舜くんも笑いながら手を乗せた。

三人の視線が私へ向く。

「ほら、そのちゃんも!」


「……はい。」

少し照れながら、私もそっと手を重ねる。

「みんなで最高の夏にしましょう。」


「「「おーーー!!」」」

音楽室に四人の声が響いた。


――合宿当日。

大きな荷物とギターケースを背負い、私は集合場所へ向かった。

一応、ギターは二本持ってきた。

一本は普段から使っている白いエレキギター。

もう一本は、もしもの時の予備。

大切なフェスだからこそ、万全の状態で臨みたかった。

夏の日差しは朝から眩しく、蝉の鳴き声があちこちから聞こえてくる。

「あっ! そのちゃーーん!」

聞き慣れた声に顔を上げると、奏くんが大きく手を振っていた。