無口な君は、誰よりも綺麗だった。

舜は少し息を切らしながら苦笑した。


「二人だけで演奏してるなんて、ずるいな。」


紗羅も頬を膨らませる。

「そうだよー! 私たちも一緒に弾きたいのに!
キーボードって持ち運びできないんだからー!」


「ドラムなんてもっと無理だし!」


その言葉に、俺とそのちゃんは顔を見合わせる。

そして――

「「あははっ!」」


同時に笑ってしまった。

紗羅はきょとんとしたあと、嬉しそうに笑う。

「あっ! 詩ちゃん笑った!
やっといつもの詩ちゃんだ!」

そのちゃんは少し照れながら頬を掻く。


「……心配かけて、ごめんなさい。」


「心配かけちゃいました。」


すると舜が、そのちゃんの頭をぽんっと軽く撫でた。

「謝るな、詩が無事でよかった。
それだけで十分だ。」


紗羅もぎゅっとそのちゃんに抱きつく。


「もう一人で抱え込んじゃダメだからね、私たちがいるんだから!」


「……うん。」


そのちゃんは紗羅を優しく抱きしめ返し、小さく頷いた。

夕焼けに照らされる四人。

静かに波の音が響く。

俺はその光景を見つめながら、改めて思う。

この4人とならどんな壁だって、きっと乗り越えていける。