無口な君は、誰よりも綺麗だった。



まだまだ下手だ。

コードも完璧じゃない。

全然ベースと違う。

でも、今だけは。

そのちゃんに笑ってほしかった。

一曲弾き終えると、静かな海に最後の音が溶けていく。

「……。」


少しだけ緊張しながら、そのちゃんを見る。

すると。


「……ふっ。」


小さく肩が震えた。

「……あははっ。」


そのちゃんが声を出して笑う。

「奏くん……ギター、下手。」


「えぇーっ!?」

思わず大きな声を出してしまう。

「そのちゃん、ひどい!
まだ練習したばっかりなのに!」


そのちゃんは涙を拭いながら、くすくす笑う。


「ふふっ……ごっごめんなさい。」

その笑顔を見た瞬間
胸の力がふっと抜ける。