無口な君は、誰よりも綺麗だった。

俺は砂浜をゆっくり歩き、そのちゃんの隣まで行く。

驚かせないように。

逃げられないように。

一歩ずつ、静かに。

そして、そのちゃんの隣へ腰を下ろした。

「……。」

波の音だけが、静かに耳に届く。

夕焼けに染まった海は、とても綺麗だった。

だけど。

そのちゃんの肩は、小さく震え続けている。

俺はその姿を見つめながら、そっと声をかけた。

「探したよ、そのちゃん。」


「……っ。」


そのちゃんの肩がぴくっと震える。

ゆっくり顔を上げると、泣きすぎたせいで目元は真っ赤だった。


「……奏くん。」


かすれた声。

その一言だけで、どれだけ泣いていたのか分かる。

「ごめんなさい……、急に飛び出して。
みんなに心配かけちゃいましたよね……。」

震える声で謝るそのちゃん。

俺は首を横に振った。

「謝っちゃだめ。」


「え……?」


「そのちゃんは、ずっと我慢してきたんでしょ?
今日くらい、泣いたっていいよ。」

その言葉を聞いた瞬間。

そのちゃんの瞳から、また大粒の涙がこぼれ落ちた。