無口な君は、誰よりも綺麗だった。

海へ着くと。

夕日がゆっくりと水平線へ沈み始めていた。

波の音だけが静かに響く。


「あ……。」


頼さんが足を止める。

その視線の先を見ると。

浜辺に、小さな人影があった。

ギターケースを隣に置き。

膝を抱えて、小さく体育座りをしている。

顔を埋めて。

肩を震わせながら泣いていた。


「……そのちゃん。」


俺が一歩踏み出そうとすると。

頼さんが静かに言う。

「じゃあ、俺はこれで。」


「え?」


思わず振り返る。


「一緒に行かないんですか?」


頼さんは寂しそうに笑った。


「……今、俺は行かない方がいいから。」


そう言い残し。
夕焼けの中へ、静かに歩いていった。

浜辺には。

俺と、そのちゃんだけが残った。