無口な君は、誰よりも綺麗だった。

奏side

(……そのちゃん。)


あんなに感情をあらわにして。

大きな声を出すそのちゃんを、初めて見た。

ずっと我慢して。

何でも一人で抱え込んできたそのちゃんが。

とうとう限界だったんだ。


「紗羅、舜!」


俺はすぐ二人を見る。

「すぐにそのちゃんを追って!」


「うん、分かってる!」


「もちろん、当たり前だ」

紗羅と舜は迷うことなく立ち上がり、そのちゃんの後を追いかけていった。

俺は一人、その場に残る。

目の前には、そのちゃんの元メンバー。

さっきまで笑っていた四人は、今では誰一人笑っていなかった。


「お、おい飛鳥……!」


成と呼ばれた男子が慌てた声を上げる。


「やばいって、詩ちゃんが……。」


その横で、頼くんと呼ばれてる人は立ち上がる。


「……園崎さん。」


そう呟くと、動揺した表情のまま店を飛び出していった。

残った飛鳥と羽純の男女2人は、まだ状況を飲み込めていないようだった。