無口な君は、誰よりも綺麗だった。

「ほら、全然大丈夫!
ベースも弾けるよー!」


そう言って笑うと。

そのちゃんはようやく安心したように息を吐いた。


「……よかった。」

その小さな笑顔。

その表情。


「あー……。」


思わず心の中で呟く。


(好きだな。)


この顔、誰かの心配をして。

自分のことより相手を優先して。

そんなところが。

やっぱり好きだと思う。

俺はそっと。

そのちゃんの頭を軽く撫でた。

「……っ。」


「戻るよ、そのちゃん。」


「はい……。」

少し驚いた顔をするそのちゃん。

でも。

嫌そうにはしなかった。

その反応に少しだけ安心する。

(焦らなくていい。)

少しずつでいい。

そのちゃんが安心できる距離で。

俺のことを知っていってくれたらいい。

そう思った。