無口な君は、誰よりも綺麗だった。

「わ、私……先に戻りますね!」

そのちゃんはそう言って、慌てたようにギターをケースへしまう。


「え?」


急いで立ち上がった瞬間。


「……っ。」


足元がふらついた。


「そのちゃん!」


危ない、そう思った瞬間。

俺は反射的に手を伸ばしていた。

そのちゃんの腕を掴み、そのまま自分の方へ引き寄せる。

「……っ。」

気づけば。

そのちゃんは俺の胸の中にいた。

「び、びっくりした……。」

俺も少し驚きながら声をかける。

「そのちゃん、大丈夫?」

すると。

次の瞬間。

ぎゅっと。

俺の手が握られた。

「奏くん……!」


「え?」


「ごめんなさい……!」

そのちゃんは真剣な顔で俺の手を見る。

「手、怪我してないですか?」


「え、いや大丈――」


「本当ですか?」


「グーパーしてください。」


「え?」


「いいから確認です。」

その真剣さに押されて。

言われた通り、手を開いたり閉じたりする。