無口な君は、誰よりも綺麗だった。

誰よりも優しくて。

誰よりも周りを見ている。

そんなそのちゃんだから。

気づけば。

言葉がこぼれていた。

「……好き。」


「え?」

そのちゃんが足を止める。


「あ……。」


しまった。

今のでも。

なぜか否定できなかった。


「……えっと。」


そのちゃんは少し困ったように笑う。

「歌のことですよね?
ありがとうございます。」

……。

違う。

違くはないけど、今の意味は

でも、今はまだ。

そう言うことしかできなかった。

「でも。」

そのちゃんが続ける。

「奏くんの周りは、本当に可愛い人が多いですよね。誰にでも平等に人気って、簡単にできることじゃないと思います。」

「奏くんはすごいです。」

……。

嬉しい。

嬉しいはずなのに。

なんだろう。

少しだけ違う。

俺が欲しいのは。

「すごい人」って言葉じゃなくて。

「そのちゃんに俺くん自身」を見てほしい。