無口な君は、誰よりも綺麗だった。

自分でも少し驚くくらい。

最近の俺は、そのちゃんのことばかり考えている。

下の階にある自販機まで歩いていると。

「まだまだ暑いですね……。」

そのちゃんが小さく呟いた。

「うん。」

少しの沈黙。

そして。

「ねえ、そのちゃん。」

「なんですか?」

「なんでさっき……。」

俺は少し迷ってから聞く。

「俺が泣いてたこと、二人に黙ってたの?」

すると詩ちゃんは少し目を伏せた。

「……バレたくないじゃないですか。
理由が理由なので。」

「……。」

「そのちゃんって優しいよね。」

そう言うと。

そのちゃんはすぐに首を横に振った。

「そんなことないです。
それなら……奏くんの方が全然優しいです。」

「え?」

「いつも周りを見ていて誰にでも同じように接して、そういうことができる人ってすごいと思います。」

……。

本当に。

この子は。

自分が傷ついた経験があるからこそ。

誰かの気持ちに気づけるんだ。

本当は弱いところもあるのに。